人の関節は、肘や膝、指、肩など、全部で68あると言われています。そもそも関節は、骨と骨とをつなぐ働きをするもので、これによって歩く、座る、物をつかむといったことができるようになります。この関節が痛むというケースは、外傷（打撲や捻挫）、使い過ぎによる炎症（腱鞘炎）、加齢によって関節が変形することによる痛みのほか、風邪やインフルエンザなど内科系の疾患で痛むこともあります。
整形外科領域で関節に症状がある場合、痛みのほかにも患部に腫れや熱が帯びていることもあります。そのため、原因を特定するためにX線撮影や血液・尿検査などをして診断をつけていきます。
関節痛の治療方法について
関節痛の治療法は、痛みの原因や重症度によって異なりますが、大きく分けて ①保存療法（手術以外の治療） と ②手術療法 があります。
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① 保存療法（手術なしでの治療）
- 生活習慣の改善
• 体重管理：関節への負担を減らすために、適正体重を維持する。
• 適度な運動：関節周囲の筋力を強化し、関節の負担を軽減。（例：ウォーキング、水中運動） - 薬物療法
• 鎮痛剤（NSAIDs）：ロキソプロフェン、セレコキシブなど（飲み薬・塗り薬）。
• アセトアミノフェン：胃への負担が少なく、高齢者にも使われる。
• ヒアルロン酸注射：変形性膝関節症で軟骨の摩耗を補うために行われる。
• ステロイド注射：炎症を抑えるが、頻繁に使用すると副作用がある。
• 生物学的製剤：関節リウマチなどの自己免疫疾患に対する治療。 - 理学療法（リハビリ）
• 関節の動きを維持する運動（ストレッチ、関節可動域訓練）
• 筋力トレーニング（大腿四頭筋訓練、体幹トレーニング）
• 温熱療法・電気治療（ホットパック、超音波、低周波治療）
• 装具療法（膝のサポーター、インソール、杖の使用） - 食事療法・サプリメント
• コラーゲン、グルコサミン、コンドロイチン：軟骨成分の補助。
• オメガ3脂肪酸（EPA・DHA）：抗炎症作用。
• ビタミンD・カルシウム：骨の健康維持。
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② 手術療法（保存療法で効果がない場合）
- 関節鏡視下手術
• 軽度の関節内の損傷（半月板損傷など）に対して、内視鏡を使って行う手術。 - 高位脛骨骨切り術（HTO）
• 変形性膝関節症の初期～中期に行われる手術で、骨の角度を調整し負担を軽減。 - 人工関節置換術
• 人工膝関節置換術（TKA）、人工股関節置換術（THA） などがあり、重度の変形性関節症の治療として行われる。 - 関節固定術
• 痛みが強いが人工関節が適用できない場合に、関節を固定して痛みを軽減。
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どの治療法を選ぶか？
• 軽度～中等度の関節痛 → 生活習慣の改善、薬物療法、リハビリ
• 中等度～重度の関節痛 → ヒアルロン酸注射、装具療法
• 重度で日常生活に支障がある → 手術療法（人工関節など）
どの治療が適しているかは、疾患の種類・進行度・患者の生活スタイル などを考慮して決定します。
関節痛で困っている場合、具体的な症状や状況に応じたアドバイスもできますよ。お気軽にご相談ください。
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